万葉集その七十二(虹)

音にも色を感じる人がいてそれぞれの音をそれぞれの色に
当てはめるという試みがなされています。

大久間喜一郎氏 (高岡市万葉歴史館長)によると、
ロシアの作曲家でピアノ演奏家スクリャービンは
1910年に完成した管弦楽曲「プロメテウス」の演奏で
色光オルガンを使い、鍵盤の音を

「 赤(ド) 黄(レ) 空色(ミ) 深紅(ファ) 橙(ソ) 緑(ラ) 青(シ) 」

の色彩で映し出したそうです。

雨上がりの大空にかかる虹はまさに光が奏でる
雄大かつ幻想的なシンフォニーです。

赤、橙、黄、緑、青、藍、菫の七色はそれぞれが混じり合いながら
無数の色を紡ぎだしています。

古代の人たちは虹を「龍が吐く息」とみたり「巨大な虫」あるいは
「大蛇」であると信じていました。漢字の虫偏はその名残とされています。

「 伊香保ろの 八尺(やさか)の堰塞(ゐで)に立つ虹(のじ)の
   現(あら)はろまでも さ寝(ね)をさ 寝(ね)ては 」 
           巻14の3414 作者未詳


(伊香保の高い堰(せき)の上に立つ虹の美しいこと。
 まるで可愛いあの子のようだね。

 あの虹のように周りの人に目に付いても良いから、
 あの子と一晩中寝て、
 寝通すことができたら あとは もう どうなってもいいよ )

八尺:高いという意だが地名とする説もある
堰塞:流れを堰(せ)き止めるための堤   
虹:「のじ」は「にじ」の東国の方言

「 虹の色 七色を順にそらんじて
    少年はみる はじめての虹 」 小池 光


大気中の水蒸気が光にあたると虹が見え、波長の違いにより
固有の色が現れます。
鮮やかで多彩な色にもかかわらず、はかない虹。

英語の虹を追う人「rainbow chaser 」は空想家を意味します。
少年はどのような夢を見たのでしょうか。

虹は平地では半円形に目えますが高いところからみると
円形に見えたり二重に見えることがあります。

天空にかかる虹の橋は神様がお作りになった夢の世界です。

「 虹二重(ふたえ) 神も恋愛したまへり」   
                    津田清子

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by uqrx74fd | 2009-03-08 10:51 | 自然

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